ベトナムでのカカオ価格の急騰のこと
カカオ豆の国際価格が3週間ほど前から下がり始めひとまずホッとしています…
でも、ベトナムで私達が農家さんから買い付けるカカオ豆やカカオポッドの価格は5月現在まだ上がっています。
ベトナムでのカカオ豆の価格、いつまで上がり続けるんでしょう。
「カカオショック」について最初にニュースを聞いたのは今年の2月でした。
ベルギーのクーベルチュールを使っているショコラティエさんから「3月以降30%〜100%高くなるので代替できるクーベルチュールを探している」と連絡をもらった時です。
その時は、ベトナムはまだ平常運転でした。
もともとベトナムのカカオは栽培量も少なく、農家さんは政府が介入しない商取引ができるため
国際価格には影響を受けにくかったので、これはベトナムのカカオ農業にとってはチャンスかな?くらいに思っていました。
けれど、ベトナムでも値上げの波が一気に押しよせました。
BINON CACAOも自社のカカオ農園の収穫だけでは足りないので、他の農家さんからカカオポッドやカカオ豆を買い付けています。
その価格が、4月上旬から5月上旬のたった1ヶ月で価格が80%〜120%(地域により)アップしました。
価格がアップしただけではなく、買いたくても在庫が無いと言われてしまう事もあります。時期的にもカカオの収穫最盛期も終わりです。
私達も商品の値上げをせざるを得なくなり、チャンスとか少しでも思った自分はバカだなあと。
先月は2社と商品のお取引の契約交渉をしていましたが、価格の急騰がこれ以上どうなるか不安で
うち1社は交渉を中断しました。
世界のカカオの価格が上がった理由が、こちらにとっても分かりやすく書かれいています。
こちらの記事に原因の一つとして温暖化があります。
ベトナムの私達の農園があるエリアでも、4月5月は例年にない熱波と干ばつで、農業用水のための水路も干上がってしまいました。
急遽、井戸を掘って湧き水を農業用水にしました。
以下記事から引用
・今後チョコレートがさらに値上がりして消費が落ち込んだり、カカオの代替品が登場したり、さらに「高カカオ」ではなく「低カカオ」がトレンドになったりすれば、価格がそれなりに落ち着くこともあり得る。
・単純化していえば、単価を引き下げるためには供給を増やせばよい。
しかし、カカオ豆の耕地面積は簡単には増やせない。工業製品や地下資源と違って農産物のカカオ豆の場合、需要を埋めるための増産は簡単ではない。
・とすると、カカオ高騰は消費者にとってだけでなく、生産者であるほとんどの農家にとっても利益になりにくい。むしろカカオショックで恩恵を得るのは、一部の投資家にほぼ限定されるだろう。
(引用終わり)
投機的な側面を持つカカオ豆価格、熱くなりすぎた国際市場価格が落ち着き始めたので、ベトナムも遅れて、もうすぐ下がるのかなぁと期待しつつ、円安の苦しさもあり、甘くない未来が待っているかもと思うと、、、
まだまだ頭の痛い不安な日々が続きます。
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